管理業務主任者は、マンション管理業者が事務所ごとに置かなければならない国家資格です(マンション管理適正化法56条1項)。 試験は四肢択一の50問で、合格点は年度ごとに変わります。令和7年度は50問中36問でした。 この記事では、国土交通大臣指定試験機関である一般社団法人マンション管理業協会の公表内容をもとに、試験の骨組みを整理します。
令和8年度試験の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日 | 2026年(令和8年)12月6日(日) |
| 試験時間 | 13:00〜15:00(120分) |
| 形式 | 四肢択一・50問 |
| 試験地 | 北海道・宮城・東京・愛知・大阪・広島・福岡・沖縄の8地域とその周辺 |
| 受験資格 | 年齢・学歴などの制限なし |
| 受験手数料 | 8,900円(非課税)。Web申込は事務手数料297円が別途必要 |
| 合格発表 | 2027年(令和9年)1月15日(金) |
| 法令の基準日 | 令和8年4月1日現在で施行されているもの |
申込期間は年度ごとに変わります(令和8年度はWeb申込が8月3日〜9月30日、郵送申込が8月3日〜8月24日でした)。 申し込む前に必ず協会の公式ページで確認してください。
今年は「基準日」がいちばん重要
管理業務主任者試験は、その年の4月1日時点で施行されている法令から出題されます。 令和8年度試験の基準日は2026年4月1日です。
この日は、改正区分所有法と改正マンション管理適正化法が施行された日にあたります。 マンション建替え円滑化法も「マンションの再生等の円滑化に関する法律」に改称されました。 つまり、令和8年度試験は大改正後の法令で出題される最初の年です。 古い教材や、2025年以前の過去問の解説をそのまま信じると、決議要件などを取り違えます。
出題範囲は5項目
適正化法施行規則64条が定める試験事項は次の5つです。このアプリの分野もこれに沿っています。
| 項目 | 主な中身 |
|---|---|
| 1 管理事務及び管理者事務の委託契約 | 民法(委任・請負・債権)、標準管理委託契約書、標準管理者事務委託契約書 |
| 2 管理組合の会計の収入及び支出の調定並びに出納 | 仕訳、収支予算・決算、管理費等の徴収、税務 |
| 3 建物及び附属設備の維持又は修繕の企画・実施の調整 | 建築・設備の基礎、長期修繕計画、大規模修繕 |
| 4 マンション管理適正化法 | 登録、管理業務主任者、重要事項説明、分別管理 |
| 5 その他管理事務の実施 | 区分所有法、標準管理規約、民法、不動産登記法、消防法など |
1項目めが「管理事務及び管理者事務の委託契約に関すること」になった点に注意してください。 2026年4月施行の改正適正化法で、**管理業者が管理組合の管理者を兼ねる方式(管理業者管理者方式)**が正面から規律されたためです。
合格点の読み方
令和7年度は受験者14,435人、合格者2,832人、合格率19.6%、合格基準点は50問中36問でした。 36問は正答率にすると**72%**です。「6割で受かる試験」ではありません。
合格点は毎年1月の合格発表と同時に公表されます。**目標は40問(8割)**に置くと、 難しい年に基準点が下がっても、易しい年に上がっても対応できます。
覚え方のコツ
- 「50問・120分・4択」。1問あたり2分半弱で、見直しの時間も取れる
- 令和7年度の合格点は「36問=72%」。本番の目標は40問
- 法令は「その年の4月1日時点」。4月2日以降に施行された改正はその年には出ない
5問免除(マンション管理士試験合格者)
マンション管理士試験の合格者は、試験事項のうち4号(適正化法に関すること)が免除されます (適正化法施行規則66条)。解く問題は45問になり、令和7年度の合格基準点は45問中31問でした。 逆向きの免除もあり、管理業務主任者試験の合格者はマンション管理士試験で同じ範囲が免除されます(同規則4条)。 両方を狙う人が「同じ年に両方受け、翌年に免除を使う」戦略を取るのはこのためです。
合格後に主任者証を受け取るまで
試験に合格しただけでは名乗れません。次の順序を踏みます。
- 登録 — 管理事務の実務経験2年以上、または登録実務講習の修了が必要(適正化法59条1項、同規則69条)
- 管理業務主任者証の交付申請 — 申請日前6か月以内の講習を受ける。ただし試験合格から1年以内の申請なら講習は不要(適正化法60条2項)
- 有効期間は5年。更新のたびに講習を受ける(同条3項、61条)
重要事項説明や管理事務の報告をするときは、相手から請求がなくても主任者証を提示しなければなりません(72条4項、77条3項)。 請求があったときに提示するのは、それ以外の場面です(63条)。
学習の順番
- 適正化法を条文ベースで固める。数字(30管理組合に1人、5年、2週間以内など)がそのまま得点になります
- 区分所有法と標準管理規約。この2つは出題量が多く、今年は改正点がそのまま狙われます
- 建物・設備は用語と数字が中心。頻出の給排水・消防・大規模修繕から押さえます
- 会計の仕訳は数問ですが、型を覚えれば確実に取れる分野です
- 仕上げに本番と同じ50問の模試で、36問を安定して超えられるか確かめます
分野ごとの正答率がいちばん低いところから潰していきましょう。